じゃがいもは、切ったあとに5〜10分程度水にさらすと、表面のでんぷんを落としやすくなり、変色も抑えやすくなります。
ただし、どの料理でも必ず水にさらす必要があるわけではありません。
炒め物や揚げ物では表面のでんぷんを落としたほうが扱いやすい一方、煮物ではじゃがいものとろみを生かしたい場合など、水にさらさず使う方法もあります。
つまり、「じゃがいもは水にさらすもの」と一律に考えるより、作る料理と仕上げたい食感に合わせて決めるのがポイントです。
この記事では、じゃがいもを水にさらす理由、時間の目安、炒め物・煮物・揚げ物での使い分けを紹介します。
じゃがいもを水にさらす理由は主に2つ
じゃがいもを切ったあとに水へさらす主な理由は、表面のでんぷんを落とすことと、切り口の変色を抑えることです。
表面のでんぷんを落とすため
じゃがいもを切ると、切り口にでんぷんが出てきます。
そのまま調理すると、切ったじゃがいも同士がくっついたり、炒め物でフライパンに張りつきやすくなったりすることがあります。
水にさらして表面のでんぷんをある程度落とすと、じゃがいも同士が離れやすくなり、炒め物や揚げ物では扱いやすくなります。
切ったあとの変色を抑えるため
じゃがいもは切ってそのまま置いておくと、切り口の色が変わることがあります。
すぐ調理しない場合は、水につけておくことで空気に触れにくくなり、見た目の変化を抑えやすくなります。
切ってすぐ加熱する料理なら、変色を防ぐ目的だけで長時間さらす必要はありません。
じゃがいもを水にさらす時間は5〜10分が目安
一般的な下処理なら、じゃがいもを水にさらす時間は5〜10分程度をひとつの目安にすると使いやすいでしょう。
- 表面のでんぷんを軽く落としたい:5分程度
- 炒め物や揚げ物に使いたい:5〜10分程度
- 切ってから調理まで少し時間がある:調理まで水につけておき、使う前に水気を切る
でんぷんを落とすことが目的なら、何十分もさらし続ける必要はありません。
料理によっては短時間で十分なので、水が白く濁ったら一度水を替え、数分さらして終える方法でもよいでしょう。
長時間さらせばよいわけではない
じゃがいもは長く水にさらすほど料理がおいしくなるわけではありません。
表面のでんぷんを落とす目的なら、必要な時間だけさらせば十分です。
特に煮物やスープでは、じゃがいもから出るでんぷんが料理のとろみにつながることがあります。
とろみを生かしたい料理で長くさらすと、仕上がりが変わることがあります。
「とりあえず長く水につける」のではなく、料理に必要な分だけさらすと考えるとよいでしょう。
炒め物のじゃがいもは水にさらすと扱いやすい
じゃがいもの炒め物では、水さらしが向いています。
細切りや薄切りにしたじゃがいもは表面積が大きく、切り口のでんぷんも出やすくなります。
そのまま炒めると、じゃがいも同士がくっついたり、フライパンに張りついたりすることがあります。
5〜10分ほど水にさらしたあと、しっかり水気を拭いてから炒めると、表面がべたつきにくくなります。
シャキッとしたじゃがいも炒めにしたい場合にも、水さらしは使いやすい下処理です。
煮物のじゃがいもは目的によってさらす・さらさないを選ぶ
肉じゃがなどの煮物では、水にさらしても、さらさずに使っても調理できます。
どちらが向いているかは、煮汁やじゃがいもの仕上がりによって変わります。
煮汁をすっきり仕上げたいなら水にさらす
じゃがいもの表面のでんぷんを落としてから煮ると、煮汁にでんぷんが出にくくなります。
煮汁を比較的さらっと仕上げたい場合は、切ったじゃがいもを5分程度水にさらしてから使うとよいでしょう。
水から上げたあとは、そのまま長く置かずに調理します。
とろみを生かしたいならさらさない方法もある
じゃがいものでんぷんを料理に生かしたい場合は、水にさらさずそのまま煮る方法もあります。
煮ている間にじゃがいもの表面が少し崩れ、煮汁に自然な濃度がつきやすくなります。
煮物だから必ず水にさらすのではなく、さらっとした煮汁にしたいのか、少しとろみを出したいのかで使い分けるとよいでしょう。
カレーやシチューはとろみを考えて決める
カレーやシチューでも、水さらしは必須ではありません。
じゃがいもの形を比較的残しながら煮たい場合や、表面のでんぷんを少し落としたい場合は、5分程度水にさらしてから加えます。
一方、じゃがいもが少し崩れて料理になじむ仕上がりが好みなら、水にさらさず使う方法もあります。
カレーやシチューではルーなどでもとろみがつくため、水さらしの有無だけで仕上がりが決まるわけではありません。
じゃがいもの食感を基準に選ぶとよいでしょう。
フライドポテトなど揚げ物は水にさらすのがおすすめ
フライドポテトなど、じゃがいもを揚げる料理では、水さらしが向いています。
切ったじゃがいもを5〜10分程度水にさらすと、表面のでんぷんを落としやすくなります。
ただし、揚げる前には表面の水分をしっかり拭き取ることが大切です。
キッチンペーパーなどで水気を取り、表面が乾いた状態にしてから揚げると扱いやすくなります。
じゃがいものガレットは水にさらさないほうが作りやすい
じゃがいものガレットのように、細切りのじゃがいも同士をくっつけて焼く料理では、あえて水にさらさない方法があります。
じゃがいもの表面のでんぷんがつなぎのような役割をするためです。
水にさらしてでんぷんを落としすぎると、じゃがいも同士がまとまりにくくなることがあります。
このように、でんぷんを取り除くことが必ずしもよいわけではありません。
料理の中ででんぷんを生かす場合は、水さらしを省くほうが向いています。
ポテトサラダは水にさらさなくてもよい
ポテトサラダでは、じゃがいもを加熱してつぶすため、水さらしを必ず行う必要はありません。
切ってから加熱するまで時間が空く場合は、変色を抑える目的で水につけておく方法があります。
一方、切ってすぐゆでたり蒸したりするなら、そのまま加熱しても作れます。
ポテトサラダでは、じゃがいもを崩して使うため、炒め物のように表面のでんぷんを落として一切れずつ離れやすくする必要はあまりありません。
水にさらしたあとは料理によって水気の取り方を変える
水にさらしたじゃがいもは、その後の料理に合わせて水気を取ります。
炒め物・揚げ物はしっかり水気を取る
炒め物や揚げ物では、表面に水分が残っていると焼き色がつきにくくなったり、調理しにくくなったりします。
ざるに上げるだけでなく、キッチンペーパーなどで表面の水分をしっかり拭き取ってから使うとよいでしょう。
煮物・スープはざるで水を切れば使いやすい
煮物やスープでは、その後に煮汁へ入れるため、炒め物ほど完全に乾かす必要はありません。
ざるに上げて余分な水を切ってから鍋へ加えれば十分です。
ただし、水さらしに使った水をそのまま煮汁として使うのではなく、じゃがいもを取り出してからレシピの煮汁へ加えると味を調整しやすくなります。
細切り・薄切りは水にさらす効果を感じやすい
じゃがいもは切り方が細かいほど表面積が増えるため、でんぷんも表面に出やすくなります。
千切り、細切り、薄切りなどは、水にさらすことで表面のべたつきを取りやすくなります。
特に炒め物では、細切りしたじゃがいもを数分水にさらすだけでも、一本ずつほぐしやすくなります。
反対に、大きめのじゃがいもを煮物に使う場合は、細切りほど表面のでんぷんを気にする必要はありません。
切ったじゃがいもをすぐ使うなら水さらし不要な料理もある
じゃがいもを切ってすぐ加熱するなら、変色を防ぐ目的だけで水にさらす必要がない場合もあります。
例えば、切ってそのまま鍋へ入れる煮物や、つぶして使う料理などです。
反対に、切ってからほかの材料を準備するなど少し時間が空く場合は、水につけておくと切り口の色を保ちやすくなります。
水さらしをするかどうかは、「切ったあと何分置くか」だけでなく、その後どんな料理にするかもあわせて考えましょう。
料理別に水へさらすか迷ったらこう考える
じゃがいもを水にさらすか迷った場合は、次のように料理別で考えるとわかりやすいでしょう。
- 炒め物:5〜10分程度さらす
- フライドポテト:5〜10分程度さらし、しっかり水気を取る
- 煮物:煮汁をすっきりさせたいならさらす、とろみを生かしたいならさらさなくてもよい
- カレー・シチュー:好みの食感に合わせて選ぶ
- ガレット:でんぷんを生かすため、さらさない方法が向く
- ポテトサラダ:切ってすぐ加熱するなら、さらさなくてもよい
「じゃがいもだから必ず水にさらす」と決めるのではなく、表面のでんぷんを落としたい料理かどうかで判断すると使い分けやすくなります。
まとめ
じゃがいもを水にさらす主な理由は、表面のでんぷんを落とし、切ったあとの変色を抑えやすくするためです。
水にさらす場合は、5〜10分程度を目安にすると使いやすいでしょう。
炒め物やフライドポテトでは水さらしが向いており、表面のでんぷんを落とすことでじゃがいも同士がくっつきにくくなります。
一方、煮物やカレーでは必ずしも水にさらす必要はなく、とろみを生かしたい場合はさらさない方法もあります。
ガレットのように、でんぷんをつなぎとして利用する料理も水さらしをしないほうが作りやすくなります。
水にさらすかどうかは、「変色を防ぎたい」「表面のでんぷんを落としたい」「でんぷんを料理に生かしたい」のどれを重視するかで決めるのがポイントです。

